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『やぶれかぶれ』は、本宮ひろ志による日本の漫画作品。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載され、単行本はジャンプ・コミックス(同)から全3巻が刊行された[1]。
概要[]
作者本人が主人公のキャラクターとなって、政治家を目指してさまざまな人に出会い、それらの出来事を漫画化した作品。
もともとは、『週刊少年ジャンプ』で開催された愛読者賞の一環として、同誌1982年10号に掲載された「実録!市川南一丁目」という読みきり漫画が発端となっている。当時、休筆状態でゴルフ三昧の毎日を過ごしていた作者は、ジャンプ編集部の西村に愛読者賞の参加を打診されたものの、この時の同誌の状況や自分の状態を考慮した上で断ることを考えていた。しかし「報道がわかりにくい。漫画なら読む気になるのに」という若者たちの不満の言葉を耳にした作者は、その後、スタッフや家族に対して、当時は個人の立候補が認められていた参議院全国区に立候補してその状況を漫画にすることを宣言、周囲の反対をよそに、菅直人と面識のある編集者に連絡して立候補の方法を尋ね、本気であることを訴えた。
同作品では、愛読者賞の成績次第で企画が実行されるとなっていたが、当該賞レースでは上位にはなれなかった。だがそれにもかかわらず、この企画は「やぶれかぶれ」という題名で1982年31号より同誌に連載が開始された。当初は上述の通り、本宮ひろ志が参議院選挙に立候補し、その体験を漫画にする計画であった。
しかしながら、選挙運動の過程を漫画で連載することが公職選挙法に違反することが懸念されたことに加え、1983年、比例代表制が導入され、個人での参議院議員の立候補が困難になったことが同企画にも影響を及ぼした。作品内では、その対策として、菅直人が新自由クラブ・社会民主連合・無所属議員で統一会派を結成して名簿を作成する動きがあると明かし、その上位に本宮ひろ志を載せることを提案しているが、本宮はこれは辞退している。この他、漫画家仲間で新政党を作るという案も検討され、実際に有名漫画家に対しアンケート形式で選挙出馬についての意見募集を行っている。
そこで本宮は、参院選出馬については一旦保留とし、各政党の党首に自ら手紙を書き、アポイントを取って取材し[2]、それを漫画にして報道するという形で路線変更を行った。この企画に真っ先に応じたのは「自分宛の手紙には必ず返事を書く主義」である、当時の新自由クラブの代表であった田川誠一であった[3]。
それ以降、本宮ひろ志は各政党の党首との対談を実現し、その様子を漫画で紹介していった。特に公明党の竹入義勝委員長との対談の際は、本宮自身が創価学会員であることを公表し、[4]池田大作への個人崇拝やスキャンダルについての本宮のストレートな疑問をぶつけている(竹入委員長は池田大作のスキャンダルについて、きっぱりと否定している)。唯一共産党のみが、本宮との対談に応じなかった[5]。そして政党の党首ではないが闇将軍と呼ばれた田中角栄との対談を実現し、これについては各党首との対談よりもページ数を割いて作中で紹介している。
そして政治家との対談の実現後、本宮は正式に参院選への出馬を断念する旨を表明。最初に取材に応じた田川誠一との往復書簡の模様を最後に、1983年8号をもって連載を終了した。
脚注[]
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