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テンプレート:コンピュータゲーム天地を喰らうII 諸葛孔明伝』(てんちをくらうつー しょかつこうめいでん)は、カプコン1991年4月5日に発売したファミリーコンピュータ用のゲームソフト。前作『天地を喰らう』と同様、ロールプレイングゲームとして発売された。2007年には、携帯電話向けゲームとしてリメイクされた『天地を喰らうRPGII 諸葛孔明伝』が配信された。

概要[]

主人公は劉備諸葛亮。前作では劉備が義勇軍を旗揚げするところから開始したが、本作では董承曹操暗殺計画に劉備が加担した時点からのスタートである。漢中夏侯淵を倒すまでは、おおよそ小説『三国志演義』に準じ(一部ゲームオリジナルの要素もある)、の地を得てからはとの決戦になり、最終的には劉備軍が天下を統一するというストーリーである。

前作では善人のような扱いだった曹操が本作では敵役として描かれ、前作以上に魏との対決を全面に押し出したストーリーになっている(その代わりの武将がほとんど登場しない)。移動中に回復系の策略が使えなかった、敵とのエンカウント率が高めだったなどの前作での不満点も解消され、全体としてバランスのよい仕上がりになっている。

プレーヤーは最大で7人までの隊列を組むことになる。戦闘に参加するのは前列の5人、移動時に表示されるのは前列の3人までである。なお、軍師に任命した武将は強制的に最後列扱いになり、隊列が6人以上の場合は戦闘に参加できなくなる。SP(策略ポイント、MPに相当)や使用可能な策略は軍師の能力に左右されることになる。前作は一部の敵武将を劉備軍に加えることが可能だったが、本作では廃止されている。その代わり、レベルアップ時の兵士数(HPに相当)上昇が、対象が一部武将から仲間武将全員へと変更されている。

攻撃力は武将の武力や武器性能に加え、兵士数にも左右される。そのため、いくら猛将でも兵士数が少なくなると攻撃力が大幅に低下してしまう。また、本作では武将ごとに使用武器が決まっており(剣・刀・斧・槍・弓のうち1つ)、それ以外の武器は装備ができない。なお、武将の加入・変更時に直前に別れた武将の装備をそのまま継承することが多く、使用武器が異なる場合は装備はしているが武器攻撃力は0になる。

その他の変更点および追加要素[]

  • 兵士数の上限値が40000から9999に変更された。
  • 前作にあった「兵糧」システムが廃止された。
  • 戦闘中に使用する火計、水計、落石計、回復計は使用範囲を単体と全体に選べるようになった。全体がけは対象者が多いほど効果値が薄れるが、策略を発生させる前に対象者が消滅すると、人数に応じた効果値に変動する。
  • 「陣形」「特殊」カテゴリーがあり、選ぶと軍師が覚えている陣形や戦闘補助の策略が表示されるようになった。
  • 武将の素早さも武力、知力と共にパラメータとして表示されるようになった。
  • 地形の要素が大幅に強化されており、水計や落石計の使用条件の他に、武将ごとに「得意地形」が設定され、得意な地形での戦闘では攻撃力増加の効果が得られるようになった。
  • 敵武将にSPの概念が追加された(前作は敵武将のSPは無限だったため、兵士数を完全回復する策略を延々と使われ戦闘が終了しない事態が起こった)。
  • 装備した武器防具はアイテム欄とは別に装備ウインドウという別枠が設けられた。また、赤心丹や守りの煙などの消耗アイテムは、アイテム1個分の欄で最大9個一括所持に変更され、前作に比べて多くアイテムを所持できるようになった。
  • SP(策略ポイント)を回復させる「ちふくたん(知復丹)」や、フィールド移動中に使うと宿屋と同じ効果が得られる「やえいのどうぐ(野営の道具)」が追加され、難易度緩和に一役買っている。ただし、前作にあった特定の都市へ瞬間移動する「しんこうのおふだ」は廃止された。
  • 前作ではデフォルトでFC版『ドラゴンクエスト』の2倍の移動速度があったが、本作ではあるアイテムを装備することでのみ速度が上がるようになった。(携帯版では、デフォルトで1.5倍位の速度に)
  • 敵武将を倒すとごくまれに非売品の武器・防具が入手できるようになった。

テンプレート:ネタバレ

シナリオ[]

ゲーム上では明確なシナリオ表示はないが、ここでは便宜的に全体を8個のシナリオに分ける。

第1章 袁術討伐
袁紹の下に身を寄せようという袁術を討伐するのが目的。
第2章 官渡の戦い
第1章の最後で曹操軍に敗れた劉備三兄弟は離れ離れになってしまう。劉備は袁紹の下に身を寄せ、顔良文醜とともに出陣することになるが、その前には謎の武将が待ち受けていた。
第3章 関羽千里行
この章では終盤まで関羽1人でプレーすることになる。5つの関を次々に破った関羽は劉備のいる華北へと向かうが…。
第4章 三顧の礼
劉表の下に身を寄せた劉備は、真の参謀を求めて諸葛亮を訪ねることになるが…。この章以降、雑魚戦でも武将が登場するようになる。
第5章 赤壁の戦い
諸葛亮が劉備軍に加わり、この章から劉備は隊列から外れることになる。劉備は孫権と同盟して曹操軍100万の兵と対戦することになる。この章では「東南の風」を吹かせることの出来る秘法書を求めて日本にまで足を運ぶことになる。
第6章 荊州平定
赤壁の戦いで勝利した劉備軍は、確固たる地盤を得るために荊州を平定することになるが、死んだと思われていたある武将がこの章では綿密に絡んでくる。なお、この章からフィールドBGMが変わる。
第7章 益州平定
「天下三分の計」を実現させるため、劉備軍は益州に兵を進める。途中、ある武将がイベントにより命を落とすことになる。
第8章 対魏戦
成都に入城した劉備軍だが、その間に曹操軍が漢中にまで侵攻してきた。劉備は曹操との決戦に挑む決意を固める。劉備軍は苦戦しながらも徐々に魏領の奥深くへと進軍し、曹操はその途中で命を落とすことになる。曹操の後は息子の曹丕が継ぐが、真の最終ボスは…?

登場人物[]

主要人物の簡単な紹介と、ゲーム内での特徴。

劉備軍[]

劉備(リュウビ)
漢の皇帝の血を引く人物。前半の主人公。能力は平凡だが兵士数が多いため、序盤では頼りになる。シナリオの途中でパーティーから外れ、後方から指示することになる。
関羽(カンウ)
劉備の義弟で、重さ80斤の青龍刀を振るう豪将。文武両道だが兵士数が少なめ。
張飛(チョウヒ)
劉備の義弟で、100万の兵を1人で退けたと言われる猛将。武力は最大の255を誇るが、知力が低く策略に弱い。
諸葛亮(ショカツリョウ)
最高の天才軍師。中盤以降の主人公と言えるキャラクター。武力は低めだが知力は最大の255。字の孔明(コウメイ)で呼ばれることが多い(ふりがなも「コウメイ」である)。
趙雲(チョウウン)
張飛の元を訪ねていた武将。関羽に匹敵する文武両道の武将で、素早さが高いが兵士数は最も少ない。
黄忠(コウチュウ)
長沙の太守韓玄に仕えていた武将。劉備軍と戦うが彼の旧主が求めていた「養由の弓」を渡すと仲間に加わる。武力は五虎将軍中一番低いが、2回攻撃が可能な弓を扱うため手数が多い。
魏延(ギエン)
黄忠同様に長沙の太守韓玄に仕えていた武将。武力は趙雲や馬超に匹敵する。
馬良(バリョウ)
「白眉」と称された賢者。荊州平定後、弟の馬謖と共に加入する。知力が高く、孔明を戦場に出したい場合は彼を軍師にするプレイヤーも多い。
龐統(ホウトウ)
孔明と並び「鳳雛」と称される天才軍師。荊州平定後、仲間に加わる。蜀攻略の前半では張飛共々固定メンバーとなるが、落鳳坡で奇襲に遭い流れ矢を受けて命を落とす。FC版と携帯版とで顔が違う。
馬超(バチョウ)
馬騰の息子で、張魯の配下として霞萌関を守っていたが「血判状」を見せ、その後に戦うことで馬岱と共に仲間に加わる。武力が高いうえ、兵士数も多い。
馬岱(バタイ)
馬超と共に仲間になる。武力は黄忠を上回り、知力も高めである。
関興(カンコウ)
関羽の次男。成都の守りについた父に代わって仲間に加わる。父に劣るが文武両道。なお他の関一族の使用武器は刀であるが、関興のみは剣である。
張苞(チョウホウ)
張飛の息子。新野の守りについた父に代わって仲間に加わる。父に劣るが武力は高い。
姜維(キョウイ)
最初は魏の武将として戦っていたが、母を助けられ仲間に加わる。文武両道な上に素早さは並ぶ者が無く、兵士数も多い万能な武将。
関索(カンサク)
関羽の三男。漢中の守りについた兄に代わって仲間に加わる。父以上の武力を誇る。
関平(カンペイ)
関羽の養子。長男で刀を装備し、平凡な能力ながら兵士数が多いのが特徴。また関定の家を出る前に関羽の養子にする事もでき、その場合武力・知力が10上昇する。
周倉(シュウソウ)
関羽の家来になった元山賊。関平同様、中盤まで活躍する。FC版では顔が設定されていたが、携帯版ではデフォルト顔になっている。
陳登(チントウ)
徐州で仲間に加わる文官。武力は低いが知力は高く、序盤の軍師候補。中盤で新野城の内政のため仲間から外れるが新野城が立派な城になると再び仲間に加わる。
伊籍(イセキ)
元劉表の配下の文官。荊州平定の際に仲間に加わり、馬良・馬謖兄弟とも知り合い。武力は低いが知力は高い。荊州平定時期に孔明を戦わせる時には軍師になる事が多い。
馬謖(バショク)
馬良の弟。兄共々配下に加わる。知力は兄に及ばないがなかなか高く、武力も周倉並みにはある。
廖化(リョウカ)
襄陽西を根城にしていた山賊の頭。退治されて仲間に加わる。武力・知力共に周倉に毛が生えた程度の能力。
孟達(モウタツ)
蜀の地図を張松の命で守っている将。孟徳新書で知力を上げれば軍師になれるが、策略は覚えないし使えない。
法正(ホウセイ)
蜀の知将。演義での活躍の場面が無く、影が薄い。
呉蘭(ゴラン)
厳顔(ゲンガン)
演義で黄忠とコンビを組む老将。能力が平凡で使いどころが無い。携帯版ではデフォルト顔で若い。
雷同(ライドウ)
武力が高いが素早さが遅い。
蒋エン(ショウエン)
蒋カ荘という所で一番の天才だが、大して能力は高くない。強制的に仲間に加えなければならない。
呉懿(ゴイ)

曹操軍[]

曹操(ソウソウ)
乱世の奸雄。劉備の宿敵となる。文武両道で欠点がない。
曹丕(ソウヒ)
曹操の息子。曹操の死後、後を継ぐが五丈原で…。
司馬懿(シバイ)
終盤で登場する曹操軍の軍師。恐れていた主君・曹操が死ぬと…。孔明には及ばないが、ゲーム中で屈指の知力を誇る。
徐晃(ジョコウ)
終盤で登場する。雑魚として登場する事もある。
張遼(チョウリョウ)
曹操軍の猛将。関羽千里行の際、追撃した夏侯惇を諌めて関羽を助ける。その後、終盤に洛陽への道程で何度か戦う事になる。
許褚(キョチョ)
曹操軍の武衛中郎将。劉備軍壊滅を目論む野心家。主君・曹操と共に戦死。
夏侯惇
眼帯の敵将。五関を破った関羽を追う。有名な武将であるが、あっけない死に方をする。
朱霊&露昭(シュレイ&ロショウ)
袁術討伐の折に曹操が貸してくれる部下2人。両名ともに能力は低めで、レベルアップ時の兵士数増加もない。

その他の軍[]

袁術(エンジュツ)
帝を自称した人物。最初の大ボスとして登場。
顔良(ガンリョウ)
袁紹の部下でその武勇で名高い。袁紹の元に落ち延びた際、彼を貸してもらえ共に白馬・延津の砦を陥とすが、謎の武将に一撃で倒される。
文醜(ブンシュウ)
袁紹の部下で顔良の弟。兄の仇討ちとばかりに劉備に同行するが、やはり謎の武将に一撃で倒される。
魯粛(ロシュク)
孫権の配下で、曹操軍に占領された新野城に捕われていた所を劉備軍に助けられる。赤壁の戦いが終るまでの間、劉備軍の仲間になる。
大蛇(オロチ)
邪馬台国にある聖なる山で卑弥呼に会う際に出てくる。極端な武力の高さと知略の低さが特徴。
呂布(リョフ)
裏切り者の猛将。荊州を彷徨うが、桂陽城で趙範の罠にはめられた孔明を助け出すことになる。張飛同様、武力は最大の255を誇るが、知力が低い。
劉璋(リュウショウ)
蜀の太守。張魯を倒す援軍として劉備軍を招き入れるが後に裏切り、戦うこととなる。
張任(チョウジン)
劉璋の部下で智勇兼備の武将。龐統を奇襲で討ち取った。後に成都までの道程で何度か戦う事となる。

陣形[]

本作は陣形が導入され、戦闘中に様々な補正効果が得られる。陣形を組む条件は、軍師を任命し隊列に戦闘不能状態でない5人以上の武将がいること。この条件を満たさない場合や陣形を組んでいない場合は「散開」状態になる。4人の場合は「八卦の陣」を除き陣形を維持できるが、新たな陣形を組むことは出来ない(劉備軍のみ散開は可能)。なお、「背水の陣」「静寂の陣」「八卦の陣」に関しては戦闘中のみ布陣可能で、戦闘終了後に散開状態に戻る。また、戦闘中に陣形を組んでいる状態で、武将が2人(「八卦の陣」のみ1人)倒された場合、強制的に散開状態になる。

散開
基本的な陣形。攻撃力・守備力・素早さとも変化はない。
鶴翼の陣
全武将の攻撃力が上昇し、守備力が低下する。3人目の武将は他の武将よりも変化率が大きい。
衝方の陣
全武将の攻撃力・守備力が上昇する。1・3・5人目は攻撃力が、2・4人目は守備力が特に大きくなる。一方、素早さは大幅に低下する。なお、相手が「白馬の陣」を敷いているときは連続で攻撃を受けてしまう。
白馬の陣
全武将の素早さが上昇する。デメリットが無いのが強み。また、相手が「衝方の陣」を敷いているときは連続攻撃が可能。
魚鱗の陣
2・3・4人目の攻撃力・守備力が上昇する。1・5人目はさらに守備力が上昇するが、攻撃力が大幅に低下してしまう。また、味方の策略成功率、回避率が上昇する。1・5人目に武力は低いが知力が高い武将を配置すれば、特にボス戦では最強の陣形になりうる。
鋒矢の陣
3人目は攻撃力が大幅に上昇し、守備力がやや低下する。2・4人目は攻撃力がやや低下し、守備力がやや上昇する。1・5人目は守備力の上昇率が最高の代わりに、攻撃力がほぼ0になってしまう。また全員の素早さがやや低下する。武器攻撃よりも策略中心の戦法に向いた陣形。
一文字の陣
「鶴翼の陣」よりも攻撃力の上昇率、守備力の低下率が大きく、素早さが上昇する。武器攻撃重視による短期決戦に向いた陣形。
背水の陣
攻撃力の上昇率、守備力の低下率とも最大である。水辺でしか布陣することができない。
静寂の陣
守備力が大幅に上昇し、回避率も上がるが、自軍への回復・支援系の策略はすべて失敗する。また、数ターン経つと強制的に散開状態になってしまう。
八卦の陣
陣形を敷く際に「生門」の武将を指定する。「生門」以外を攻撃した場合、攻撃は無効または反射される。しかし、孔明を軍師に任命しないと使用できない陣形のうえ、使用時には大量のSPを消耗し、1人でも武将が倒されると散開状態になるなどの欠点を持つ。

備考[]

  • 登場人物の台詞やモノローグなど、所々で横山光輝の漫画『三国志』の引用が見られる。
  • エンディング直前には住民が「2も出たということは3も出るかしらねー」とのセリフを残している。

関連項目[]


テンプレート:Video-game-stub

en:Tenchi wo Kurau II (Family Computer) vi:Tenchi wo Kurau II zh:吞食天地II 諸葛孔明傳

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